労災事故直後・治療中

後藤 千絵
京都生まれ。大阪大学文学部卒業後、大手損害保険会社に入社するも、5年で退職。大手予備校での講師職を経て、30歳を過ぎてから法律の道に進むことを決意。派遣社員やアルバイトなどさまざまな職業に就きながら勉強を続け、2008年に弁護士になる。

労災事故直後・治療中の方へ

労災事故直後・治療中にすべきこと

労災を申請してください

業務中や通勤途中でお怪我をされた場合、まずは労災を申請することが重要です。
会社によっては労災の申請を面倒だと嫌がったり、または事故態様について会社に責任がなく自損事故のような形で報告をしようとしたりする会社もあります。
しかし、労働者は労災保険を使う権利があります。
労災保険の使用は、労働者の権利なのです。
怪我は将来的にどうなるかは不確定です。すぐに治癒するかもしれませんが、後遺症として残る可能性もあるのです。いずれにせよ、事故態様はできるだけ正確に労働基準監督署に報告する必要があります。
労災を申請すれば、治療費の負担がありませんし、休業補償も受けられます。

会社によっては、治療費や休業補償を会社が支払うから労災を申請しないでほしいと泣きついてくるところもあるかもしれません。
断り切れずに労災の申請をしなかったケースでは、予想外に重症な怪我でその後会社が対応できなくなったり、治療費や休業補償をいつ打ち切るかを会社(または会社が入っている保険会社)が一方的に判断したりするケースもあり、労働者側は非常に不安定な状態におかれることになります。これに対し、労災の場合、被災者保護の観点から適切な時期が来るまでは継続して給付を受けることができます。
ぜひ、労災の申請を早めに行ってください。

適切な治療・検査を受けてください

事故によってお怪我をされた場合、できるだけ早期に病院に行ってください。
事故直後から痛みがあったとしても、すぐには病院に行かずに時間が空いてしまったような場合は、その痛みが事故によって生じたものであることの証明が困難になることがあります。
その痛みが事故によるものなのか、それとも事故から2週間以内に生じた別の原因によるものなのかという区別がつかなくなってしまうのです。
そのため、異常がある箇所は全て正確に医師に伝えてください。
医師は、患者の説明をカルテに残しますが、伝え忘れていた症状はカルテに残らないため、最悪の場合は最初からなかった扱いにされる可能性があります。
また、痛みがある箇所についてはできるだけ早期にレントゲンやMRI等の検査を受けてください。
どのような治療や検査を受けるかについては、具体的な症状によって異なります。
なるべく早めにご相談ください。

以上、事故直後・治療中の方に気を付けていただきたい点を記載しましたが、具体的な対応方法については、具体的なお怪我の状態や事故状況によりますので、まずはご相談ください。

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