目次
はじめに
労災事故に遭い、後遺障害3級が認定された場合に労災保険からもらえる補償は下記の通りです。
➀障害補償年金
②障害特別年金
③障害特別支援金
しかし、これらの補償だけでは十分ではない可能性があります。
なぜなら、後遺障害を負ったことに関する慰謝料や逸失利益についてはカバーされないことがほとんどだからです。
後遺障害3級が認定された際の慰謝料や逸失利益は、下記の通り計算します。
➀慰謝料
弁護士基準(赤本基準)によると、1990万円
②逸失利益
基礎収入×労働能力喪失基準(100%)×労働能力喪失期間に応じたライプニッツ係数
本記事では、労災で後遺障害3級が認定された場合の補償金額や慰謝料、その計算方法について解説しております。
1 労災後遺障害3級の主な障害について
労災事故では、後遺障害が問題となることは珍しくありません。
後遺障害とは、これ以上治療による改善が見込まれず、将来的に一定の症状が残存する状態のことです。
後遺障害等級は労働基準監督署に認定してもらいますが、1級から14級まであり、14級が最も軽い障害となっています。
後遺障害3級が認定される身体障害は、以下のものがあります。
| 1号 | 1眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になったもの |
| 2号 | 咀嚼又は言語の機能を廃したもの |
| 3号 | 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの |
| 4号 | 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの |
| 5号 | 両手の手指の全部を失ったもの |
2 労災後遺障害3級が認定される可能性のある怪我
例えば、工場内で重機に轢かれ、スープ状の流動食以外は食べられなくなってしまったケース、食事繊維工場内の現場で機械に挟まれ、両手の指をすべて切断したケースがあります。
3 労災後遺障害3級でもらえる補償と金額
では、後遺障害3級に該当した場合、労災からいったいどの程度の補償が受けられるのでしょうか?
障害補償給付としては、①障害(補償)年金、②障害特別年金、③障害特別支給金が支給されます。
①障害補償年金・障害年金
3級の場合、給付基礎日額の245日分が、障害が残る限り毎年継続して支給されます。
※給付基礎日額とは、労災事故発生日の直前3カ月間の賃金の総支給額を日割り計算したものです。
②障害特別年金
3級の場合、算定基礎日額の245日分が、障害が残る限り毎年継続して支給されます。
※算定基礎日額とは、労災事故発生日の直前1年間の賞与の金額を365日で除したものです。
④障害特別支給金
3級の場合、300万円が支給されます(1回のみ)。
後遺障害3級が認定された際にもらえる具体的な補償金額
実際に例題から受け取れる金額を見てみましょう。
例:毎月の給料が額面で20万円、1年間の賞与が40万円、年収280万円のAさん(症状固定時30歳)が2月1日に片足を切断し、後遺障害3級と認定されたケース
後遺障害3級の障害補償年金
直近3カ月は、1月(31日)、12月(31日)、11月(30日)となります。
(20万円×3カ月)÷(31日+31日+30日)=6521.7
よって、給付基礎日額は、6,522円となります(※1円未満の端数は1円に切り上げます)
障害補償年金は、6,522円×245日=159万7890円/年
後遺障害3級の障害特別一時金
1年間の賞与は40万円なので、365日で割ると、1096円となります。
1,096円×245日=26万8520円/年
後遺障害3級の障害特別支援金
300万円(1回のみ)
後遺障害3級で毎年もらえる金額の合計
労災からは、後遺障害に関して毎年186万6410円を受け取ることになります。
4 労災保険では支払われない後遺障害に関する補償とは?
以上のように、後遺障害3級が認定された場合、労災からは障害補償年金等を受けることができます。
ただし、労災保険がおりたとしても、実際には労災保険だけでは十分に補償されない損害があります。
後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益といった損害は、労災からは補償されません。
労災だけでは補償されない上記の損害については、会社に対し、損害賠償請求をする必要があります。
会社は、雇用契約を締結している労働者に対して、生命や身体の安全を確保しつつ労働を行えるように職場の環境を整える義務である『安全配慮義務』を負っています。この安全配慮義務の「違反」が認められる場合には、損害賠償請求が可能となります(民法709条)。また会社に使用者責任が発生する場合もあります(民法715条)
仮に労働者側に過失があったとしても、会社に損害賠償をできる場合があるのです(過失相殺は考慮されることになります)。
後遺障害慰謝料
後遺障害による精神的な損害に対する補償のことです。3級の場合、弁護士基準(「赤本基準」とも言います。)によると1990万円を請求できるとされています。
後遺障害逸失利益
後遺障害により将来的な稼働能力が低下したことに対する補償です。
基礎収入に、労働能力喪失率(3級の場合100%)と労働能力喪失期間(症状固定時から67歳までの期間)に応じたライプニッツ係数を乗じて計算します。
先ほどのAさん(症状固定時30歳。就労可能年数37年 事故前年の年収は280万円)が3級の後遺障害を負った場合を例に考えてみましょう。
280万円×100%×22.167(37年に対応するライプニッツ係数)=6206万7600円
▼労働災害の逸失利益の計算方法・損害賠償請求の金額について解説
5 弁護士に相談すべきケースとは?
後遺障害3級の認定がおりたとしても、当事者の方の法的な知識が不十分な状態では、適切な方法で請求できないことがあります。
請求に向けて、お怪我をされている労働者ご自身が主体的に動くことは難しい場合が多いですし、損害額の算定や証拠収集が困難になることも珍しくありません。
この点、早い段階で弁護士に相談しておくことで、本人およびご家族の精神的負担を軽減することができ、より一層、治療やリハビリに専念することが可能となってきます。
適切な後遺障害認定のためにも、早めのご相談をお勧めします。
6 当事務所のサポート内容
当事務所は随時、無料相談を行っておりますので、まずは無料相談をご利用ください。
相談はメールやLINEでも可能となっております。
1人で悩むのではなく、できるだけ早めに専門家に相談することをお勧めします。
当事務所では、女性スタッフ全員が依頼者に親身に寄り添うことをモットーとし、一丸となってサポートに当たっております。
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